相手方の契約書ドラフトを使うか、こちらのものを使うかを
問わず、相手がどの点を最も重要と考えているか、どの点
について反論しようとしているかを聞かずにこちらの主張を
述べることは大変危険なことです。
まず最初はできるだけ聞き役に回り、質問をして何が主な点で
何が付随的な点なのかの見極めをするように努めましょう。
その際には相手の発言を途中でさえぎらず最後まで聞く姿勢が
大切です。
しばしば熱心な交渉者に見られることですが、相手がなにか言い
かけるとそれをさえぎって自分の意見を言うことはエチケット違反です。
また交渉における発言というものは多くの場合、その中で論理の展開が
2転3転するようなものです。全部を聞いてみなければ全体像がわからなく
なるばかりか、本来どうでもよかったことが下手に大きな争点に化けて
しまう可能性もあり、時間ばかり食ってしまうことになりかねません。
自分の言いたいことを先に全部言ってしまいたい、という気持ちが先に
立ってしまいがちですが、ここはぐっと我慢して相手に最後まで話させる
ようにしましょう。