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いきなりですが、なぜ秘密保持をしなければならないのでしょうか?
少し考えてみてください(^^)
2003年に個人情報の保護に関する法律(=個人情報保護法)が施行
されてから、やたらと「それは個人情報だろ!」「それは個人情報漏洩に
当たるからダメ!」とかいう話を耳にします。
では、個人情報でなければ、漏洩しても良いのでしょうか?
個人情報であればなんでも、秘密保持義務があるのでしょうか?
ここでは、冒頭の質問について簡単に整理してみましょう。
「なぜ秘密保持をしなければならないのか?」については大きく分けて
3つの答えがあると考えています。
①法律違反になるから
秘密保持義務について定めた法律は実はいくつもあるのですが、
代表的なものは下記の二つです。
■個人情報保護法
■不正競争防止法
大胆な言い方をしますと、個人的には個人情報保護法はあまり、今この
文をお読み頂いている方に直接関係することは少ないと思っています。
なぜなら、この法律にある秘密保持義務を負わされている者(=個人情報
取扱事業者)に該当しない者として「その取り扱う個人情報の量及び利用方法
からみて、個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして定める者(過去
6か月以内のいずれかの日においても取り扱った個人情報が5,000人
を超えたことがない事業者)」と定められているからです。
この文章を読んで頂いている方は中小企業や個人事業主の方々が多いと思い
ますのでなかなか、5,000人以上の個人情報を取り扱っている方は少ない
と思います。
次に、不正競争防止法ですが、こちらはほぼ全ての事業主が当てはまります。
他人の営業上の秘密を侵した者は、この法律に基づいて差し止め請求、損害
賠償請求、信用回復措置請求などの民事的請求を相手方からされるばかりで
なく、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金などの刑事罰もしっかり
とあります。ちなみに個人情報保護法にも同様の刑事罰がありますが、懲役は
6ケ月以下、罰金は30万円以下と軽くなっています。
いずれにしても、秘密漏洩をすると大変なことになる!と覚えておきましょう。
②自己の評判を落とし、取引してもらえなくなるから
昨今、パナソニックなどの大手企業は下請部品メーカーに対して秘密保持の
取組状況に関しての監査を行い、その成績に応じてランク分けを行っています。
そしてランクが下位の下請部品メーカーとはもう取引を行わない又は重要な設計
図面等の開示を行わなわいといいう施策を推進しているのです。
自社内の秘密情報が下請部品メーカーを通して外部に漏洩するのを防ぐために
当然の施策と言えますが、今後この流れは全ての大手企業に広まりそして下請企業
にも広まっていくことでしょう。
つまり、秘密保持ができていなければ、取引そのものを失うことになるのです。
法律違反で罰せらるとか言う以前の重大な死活問題ですよね(^^;)
でも逆に言うと、社内の秘密保持体制をきちんと整備しておけば取引相手として
仕事が優先してもらえる訳ですから、部品の品質や価格面で他社に遅れをとって
いる下請メーカーでもチャンスと言えるかもしれませんね。
③裁判で不利になるから
昨今の流れから言って秘密保持がきちんと社内で出来ていない企業は、ある程度
不誠実な企業だと思われても仕方がないでしょう。これは裁判において裁判官など
に与える心証でも同じことが言えます。以前、アメリカで訴えられた日本企業が
その公判中に秘密保持をきちんとやっていなかったことが明らかになって陪審の
心証を悪くし、損害賠償金額が一気に倍になってケースが実際にありました。
以上、3つの答えからも明らかなとおり、秘密保持をきちんと行うことはビジネスを
やる上で最も重要なことの一つであると経営者は肝に銘じる必要があると考えます。
④ライバルとの競争に負けないため
これはもう当り前のことですよね。
秘密情報があなたの会社の素晴らしい発明だった
としたらどうでしょう?
特許をとって権利を独占し、世の中に公開すると
いった選択肢もあるかもしれません。
ですが、ノウハウとして社内に留めておき秘密情報
として、保持するなら絶対に競合他社に漏れては
ならないのです。
そのために。。。
・取引先に秘密情報を開示するときは秘密保持契約
を締結する。
・社員に対しては入社時や退社時は「秘密をもらしません!」
という趣旨の誓約書を提出させる。
・たとえ社内においても特別なセキュリティーシステムの
かかった部屋やサーバーに秘密情報を保管し、それに
係る特定の社員しかアクセスできないようにする。
などの対策が必要になってきます。
ISO27001などの秘密保持に関する国際規格
もあります。
こうしてみると全社的な取り組みになってしまうので
経営者がどれだけ秘密保持を理解し前向きに
取り組んでいるか?というところを厳しく問われる
ことになっていくことでしょう。
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